The reason for living(生きる理由)
D-Boy:Side ・・・・俺は、どうして生きているんだろう・・・・。 あの時、俺は死んだと思っていた。 なのに、どういうわけか、俺は生きている。 この、蒼のかかった黒髪の女に世話を受けながら・・・・。 何故、見ず知らずの・・・・いや、どこかであった事がある・・・・? この顔は・・・・誰だろう・・・・。 わからない・・・・・。 だが、これだけはわかる・・・・。 俺は、この女を知っている。 そうだ・・・・。確か、誰かが彼女の事をなんと呼んだか・・・・・? アキ・・・、そう、アキという名前だ・・・・・。 何故、俺の世話をするんだろう。 金髪の、軽そうな男・・・・俺を、気の毒そうな瞳で見られたのを覚えている。 でもそれは最初だけだった。 次にきたときは、その瞳ではなく、なんともないようなそんな瞳を見られている。 そういえば・・・、あの子・・・・・。 茶髪の少女・・・・俺の・・・・妹に・・・似ている・・・・・。 ミリーといったか・・・・。 ミリー・・・・・。 ミリーを見るたびに、俺は彼女を思い出す。 俺を、守るために・・・・俺の、ために・・・・・自らボルテッカを・・・・・。 ・・・・・ボルテッカ・・・・・? 俺を守るため・・・・・。 待てよ・・・・・。 あの場で、何か・・・・・ そうだ、仲間・・・・・そう、仲間だ・・・・・が、その場の近くにいて・・・・・。 あの・・・女・・・・ アキ・・・ミリー・・・・・ノアル・・・・が、いた・・・・。 その後、俺は・・・・・誰もいなくなった、ミユキの、最後の場所で、 ミユキのクリスタルのカケラを見つけて・・・・。 そうだ・・・。あの時、ミユキの想いが・・・・。 俺の中に流れ込んで・・・・・・。 そうか・・・・。 残酷だな・・・・・。 俺は、眠りたかった・・・・・。 けれど、眠れない・・・・。 ミユキの・・・・シンヤの・・・・俺の、大切な人たちの分まで、生きろと・・・・。 だが、どうすればいいんだ? この、動けない身体で・・・・。 ミユキ・・・、お前だったら、どうしてた・・・・・。 教えてくれよ・・・・・。 不意に、アキが、俺の顔を覗き込んだ。 そして、柔らかいものが、俺の頬に触れた・・・・・。 「どうしたの・・・?どこか、痛いの・・・?悲しいの・・・・・」 そこまでいわれて、俺は気づいた。 俺の頬に、涙が流れている事に・・・・。 そうか・・・・。 俺は、泣いているのか・・・・? 「大丈夫。私が、ずっとそばにいるから」 何故、そんなことをいうんだろう。 単なる慰めかもしれない・・・・。 俺は・・・・そういうのは、嫌いだ・・・・。 けれど、次の言葉が、俺の心を動かす。 「ねぇ、Dボゥイ、私では助けになれないかもしれない。 もちろん、ミリーも、ノアルたちも・・・・。 でも、これだけは覚えておいて。 私達は、貴方が生きてくれただけで、嬉しかった。 貴方にとってはどのように思っているのかわからないわ。 貴方のために、死んでいった妹・・・・ミユキさん、そして、貴方の父も・・・・・。 私たちには貴方の心を癒す事はできないかもしれない。 貴方が生きている事は、きっと貴方の家族と、仲間と、友人の想いがこめられている。 貴方の心に彼らが住んでいる。 悲しき運命に翻弄された彼らのために、貴方のために、 だから・・・・泣かないで」 はたして、そうなのか? アキの言葉は・・・・・。 『なに、ぐずぐずしているんだ』 師匠・・・・ 『相変わらずね』 義姉さん・・・・ 『お前には辛い思いをさせた。だからもういいんだ』 兄さん・・・・・ 『そんなの兄さんらしくないよ』 シンヤ・・・・・ 『タカヤ兄さん、私達はずっと一緒だからね』 ミユキ・・・・・ 『今度は、自分の幸せをつかむために、生きるんだ』 親父・・・・・ でも、俺は・・・・。 『タカヤ兄さん、私達は救われたの。貴方の・・・・おかげよ』 『そうだぜ。つらかったろうが、そうでもしないと地球がラダムのものになってしまっただろう。 一時期とはいえ、救ったことに変わりはない』 ・・・・?一時期・・・・? 『いずれ、再びラダムがやってくるだろう。その時に地球を守るためにやる事はなんだ?』 『ラダムに立ち向かうには、普通の武器ではできない。なら、立ち向かうとは?』 ・・・・・テッカマン・・・・・ 『そうだ。そのためにすべき事は、お前にしかできない。・・・・・戦うのも自由にするのも、お前自身の心に従え』 ・・・・・俺は・・・・・・ まだ、わからない・・・・。 でも、自分を責める事はやめる。 自分の幸せをつかむとは思わない。 でも、生きて、生き抜いて、俺にしかできないことを、やってみるよ。 俺自身の心の望むままに・・・・・。 『・・・・・・それでいい。それでこそ、俺の息子だ』 親父。 『幸せに、なれよ』 『幸せに、なってね』 『途中挫折したら、承知しねぇぞ』 『がんばれよ』 あぁ、がんばるよ。 『・・・・・タカヤ兄さん』 ミユキ・・・・・。 『ずっと、タカヤ兄さんの心の中にいるから、ずっと見守ってるから、幸せになってね』 ・・・・・あぁ、ミユキ、俺は・・・・・ 『いわないで。タカヤ兄さんの心は、わかっているから、いいの』 ミユキ 『じゃあね・・・・・また・・・・ね』 あぁ、・・・・・またな。 ・・・・・・夢・・・・か・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・。 この、生き残った命を、俺は決して無駄にしない。 再び、あいつらがやってくるまで、俺は戦う。 一人ではない・・・・・。 彼らが・・・・いる。 彼らと・・・・・共に戦う。 その前に、俺の身体を治すことだけを考えよう。 全ては、それからだ・・・・・。 後書き はぁ、懐かしいテッカマンブレード・・・・。(年がばれる・・・・!?) しかも、こんなものまで作ってしまうのは、もういないのかな。 一人ぐらいはいるかなぁ・・・・。 ラダムとの戦いが終わってから、数ヶ月ぐらい・・・・?のDボゥイサイド・・・。 本編とは少々近い・・・かな。 資料がないから、一部オリジナルが入っているし、関係としては本編と違いますんで・・・。 だから、ちょっと戸惑いがあるかも・・・? では、最後まで読んで下さってありがとうございます。 ご意見・ご指摘を下さると嬉しいです。 では、また次の話であいましょう!! |