第伍話 あともう少しのところで、砂漠色のマントを身に纏った不気味な者が行く道を立ちふさがっていた。 セシルたちは武器を手にして警戒の構えを取った。 「何者だ!?」 セシルがたずねると、マントの者は、蛇の舌を出し入りしているようなイメージを思い浮かべる音を出していた。 フシュルルルルルルルル・・・・ 「我は死の水先案内人・・・・我が主ゴルベーザ様の信頼なる四天王の一人・・・・土のスカルミリョーネ」 その言葉を聞いて、セシルは怒りのこめた瞳をしながら口を開いた。 「ゴルベーザの!」 「嬉しいぞ・・・・お前達を葬る事ができて・・・・。我のかわいいアンテッドたちの餌の時間だ・・・・!!」 その言葉が合図か、スカルミリョーネの目の前に四人のスカルナントたちが土から這いあがってきた。 その姿は、かつての戦いで朽ち果てたのだろう、傷だらけの鎧と寂れた剣を手にし、肉体もなく、骸骨だらけの戦士で、目の奥のほうに、欲望と恨みと憎しみの含んだまがまがしい赤い光が輝いていた。 その瞳がセシルたちに向けられていた。 「かかれっ、我のかわいいアンテッドたちよ!!」 スカルミリョーネの合図によって、四人のスカルナントたちがセシルたちに襲いかかってきた。 セシルとレイアは剣で戦い、この試練の山で出会った賢者・テラは最初、補助魔法をかけてから、スカルナントとの戦いが始まった。 錆びている剣には毒と呪いがかけられており、その攻撃をかわし続けるセシルたち。 その隙間に、雷撃の魔法が放たれ、かろうじてかわすセシル。 「ちぃっ、レイア、あれを!」 「わかってるわ!」 セシルの呼びかけに、レイアはミスリルソードを横に構えて懐にしまいこんでいる物を取り出して、スカルナントたちに向かって投げた。 スカルナントたちの身体にあたった途端、金色の砂がばらばらと散らばった。身をあびたスカルナントたちの動きが止まった。 「今だ!!」 セシルの合図と同時に、レイアの剣が、テラの炎の魔法が、スカルナントたちに放たれた。 動きがとめたというにもかかわらず、スカルナントたちの悲鳴ともいうべき声が響いた。 セシルはデスブリンガーを構えなおして、スカルミリョーネに視線を向けて叫んだ。 「スカルミリョーネ!次は貴様だ!!」 「おのれ!よくも我のかわいいアンデッドたちを!我が力を思い知るがいいっ!!」 自分のかわいいアンデッドを失ったことを、セシルたちに殺気を向けて攻撃態勢に取りかかるスカルミリョーネ。 蒼白い稲妻がセシルたちに降り注ぐ。 セシルたちは稲妻が落ちる瞬間に身体ごと避けることに成功した。 「くぅっ!?」 ・・・・・・では、なかった。 稲妻が落ちる瞬間、まるで生き物のように一本が数本に割れ、その一部がセシルの右腕に当たってしまった。 「セシル!!」 レイアが気づき、声をかけた。 「だ、大丈夫だ」 兜で顔を覆っているものの、表情は見えないが、声からしては少し痛みを耐えているようだった。 稲妻を微少受けてしまったとはいえ、腕に痛みと痺れがはしり、右手で剣を持つままになれず、左手にまわして構えを取った。 返ってきたセシルの声にほっとしたのも束の間だった。 レイアの動きがとまり、目をセシルに向けたその瞬間が、隙を生んでしまった。 一回だけではなく、稲妻が連続して放たれたのだ。 その攻撃に気づいたのが遅れ・・・・・・。 「あぁっ!!」 モロに受けてしまったのだろう、レイアの身体全体に稲妻が落ち、後ろへと吹き飛ばされた。 「レイア!」 「―――ケアルラ!!」 セシルが読んだと同時に、テラが回復魔法を唱え、レイアの身に淡い光が包み込まれる。 淡い光が消えていき、起き上がるレイアの様子に、セシルは内心ほっとしながらもスカルミリョーネを見据えた。 レイアはテラに感謝の礼を伝え、再び構えを取り、テラもまた炎のロッドを前に出して構えていた。 その時、セシルが二人に向かって指示を伝えた。 「レイア、テラ!僕とレイアがあいつの隙を作るから、テラはその間に魔法を!」 「わかったわ!」 「わかった!」 セシルの指示に従うレイアとテラ。 セシルとレイアはスカルミリョーネの放たれる連続魔法をかわしながらも、剣でスカルミリョーネに切りかかっていく。 そして・・・・・・。 あとがき----------------------------------------------------H17.4.3up すみませんっ!! 戦闘シーンは本当に苦手ですので、もう、それは省きましたっ!! あぁっ、ごめんなさい!!まだまだ思うように文章が表現できないですっ!! 今更ですけど、物語は一話毎に多少短いのと長いのがばらばらになりますが、その辺はどうかお許しを・・・。 ・・・・・・えっと・・・・では、最後まで読んでくださり、ありがとうございます。 誤字、修正、感想、リクエスト等いただいてくださるとうれしいです。 |